FP2級が転職や再就職の役に立つか、その需要を調査してみました。
この記事は次のような方に贈ります。
- FP2級が転職や再就職に役立つのか、疑問のある方
- FPでの独立に不安のある方
- FPで独立する前に修行を積みたい方
1. FPが求められる背景の変化
1-1. 変わる転職の常識
転職や再就職は、35歳過ぎると厳しいと言われていた時期もありましたが、今やその定説は覆されつつあります。
少子高齢化がじわじわと忍び寄る今日、雇用の需要も介護などのサービスに関連する業種にシフトしつつあるからです。
地方都市では大手百貨店の撤退が話題になっていますが、このあおりの受け皿として介護の分野を検討する方も増えています。
FPでも節約、保険、不動産などの従来需要に加えて、介護、相続など終活系の相談が増える傾向にあります。
1-2. 不足するFP視点のアドバイザー
1-2-1. 子育てに関して
人口減少が取り上げられるたびに話題になる子育ての分野。
補助の制度や企業の取り組みも10年前より大分進んできました。
ただ、共働きが普通になった裏で、子育てに関して有効な手段を活用できていない方、または教育資金や住宅資金のねん出を検討できない方は後を絶ちません。
1-2-2. 終活に関して
核家族が普通になり、「自分の老後は自分で」、と考える方が増えています。
でも、いざ介護が必要になったときの手続き、費用、利用できる公的サービスを把握している方は少ないです。
豆知識
2018年に公務員や大企業にお勤めの方を中心に、介護保険の負担割合が2割→3割に変わります。
子育て、終活共に、その時々のアドバイスや情報を提供してくださる方は役所、病院等にいらっしゃいます。
ただ、それらのアドバイスは断片的なので、自分自身でさらに調査、比較して整理する手間がかかります。
これらをまとめ、ライフスタイルに応じたトータルでの助言ができるFPのようなアドバイザーはまだまだ不足しています。
特に終活は顕著です。
1-2-3. 資産運用に関して
企業の年金を補てんする年金基金の破たんが相次ぎ、その代わりに確定拠出年金(iDeco:「イデコ」と呼ばれます)の推進が急がれています。
税の優遇措置や積み立て対象になる金融商品など、ライフスタイル、年齢に応じた説明ができるFPが求められています。
2. 100歳人生のサポート役が新たなFPの役目
「LIFE SHIFT」という本をご存知ですか?
2016年のベストセラーですが、もはや人生は100歳を当たり前として考える時代に突入したと考えてよいと思います。
この本には2007年生まれの世代の半数は107年以上生きるという国連の推計を記載しています。
この先、教育、住宅、老後といった3つの資金繰りについて、FP相談やFP情報の提供はもっと重要になることでしょう。
3. 転職、再就職後に独立する方法も・・・。
「FPとして独立」を目指す方も、独立前に転職や再就職という段階を踏み、修業期間を積むことも一つの方法です。
もちろん、FPの先輩方にはいきなり独立した方も数多くいらっしゃいます。
先輩方の体験談!
4. ケース別のFP需要
では、このページではFP2級取得後の転職や再就職について、次のようなケースを順に見ていきましょう。
4-1. 以前、FPまたは関連業界に勤め、同じ業界への転職・再就職の場合
FPまたは関連業界とは、保険、金融、税務、不動産といった業界を指します。
保険は生保系、または損保系の企業などがあります。
FP2級の保持または取得が求められることが多いため、再就職や転職需要があります。
不動産も頻繁に募集があり、FPに加えて宅建士の資格があるとなお強いです。
このようなケースでは転職サービスを利用して、過去の経歴を細かく登録してご自身の強みを活かすのが効率が良いでしょう。
豆知識
転職希望の会社からCFPについて問われた場合、AFPを取得済みであれば、勉強中あるいは取得を検討中と回答しておきましょう。実際に損保会社に50歳前後で再就職後、「CFPに合格した」との体験記をFPジャーナルという機関誌に投稿した先輩もいます。
4-2. 異業種からの転職・再就職の場合
メーカーなどの異業種からの転職・再就職では、元々営業だった方は対面営業などのスキルを生かせます。
技術職の場合でも、客先に営業と出向いてプレゼンしたスキルやデータを分析する能力はFPでも生かせます。
主婦・主夫の方は家庭での実務が顧客のアドバイスに直結します。普段の家計のやりくりや工夫に自信を持ってください。
必ず世の中の役に立ちます!
ただ、どの異業種の場合でも業界の理解には慣れが必要です。
転職サービスの活用と合わせて、自己研鑽をお忘れなく。
4-3. 自己研鑚の例
2級取得後、AFPまで取得すれば、日本FP協会による研修セミナーなどへの参加で研鑽を積むことができます。
4-3-1. 研修の種類
- テスト受験
- セミナー聴講または参加
- プロフェッショナル研修
4-3-2. セミナーの種類
年金などのライフプランニング、資産運用、不動産、相続といったfpが関わる分野での著名人や専門家による講演聴講。
4-3-3. 最近のセミナー例
東京支部
「2020年、不動産価値革命とREIT市場の展望」
講師:牧野知弘氏、鳥井裕史氏
「老後のための資産形成をどう考えればいいのか〜各種調査・データ、英ISA等の制度も交えたFPへのアドバイス」
講師:野尻 哲史氏(フィデリティ退職・投資教育研究所 所長)
埼玉支部
「超金融緩和状態における家計の金融資産選択と留意点」
講師:小松 英二氏
「独立系FPが果たすべき役割とビジネスモデルの作り方」
講師:神戸 孝氏
茨城支部
「国民の資産形成を支えるFPに必要な倫理とは?」
講師:伊藤 宏一氏 CFP認定者
「長期投資しておいて良かったと実感する日は近い!!」
講師:澤上 篤人氏 さわかみ投信株式会社 取締役会長
群馬支部
「今後のグローバルな重大リスクに備えるマネープラン」
講師:白根 壽晴氏 CFP認定者
長野支部
「FPビジネスの創造」
講師:藤川 太氏 CFP認定者
相談スキル研修
「相談スキル研修(初級)」